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コラムNo.20

描く、土ひねり、獅子舞、地域探訪等々

小野医院
  小 野 波 津 子

昭和45年卒、61年開業、老人世代に突入しました。診療の合間に窓外の萩を眺めて、もう10年もは、こうして診療できないだろうなと思う昨今です。

勤務医時代は医学医療の勉強も子育ても力不足のまま(子供5人-五つ児ではない-のためもありましたが)、奮闘空しくうち過ぎてしまいました。子育てには取り返しのつかない後悔の念が残っています。昔のように家族が、地域が社会が子育てしてくれる時代ではなかったので、もっと先輩に相談したり、情報を入れて勉強すべきだったと…。(数年先輩の方は産休も容易にとれなかったと聞きました。人間はお産も子育ても皆の協力を得て、助け合って生きるように擦り込まれているとのこと、現代は産休はもちろん育児休暇、育児相談、保育園などかなり利用できるようですので、育児と仕事の両立は容易では?)仕事については先輩、同僚の先生方が懇切に教えてくださり、これを頼りにやっとのことで務めました。開業前7年間の博愛会病院勤務での経験は大変有り難く、そのまま開業してしまいました。開業後は市、地域の医師会、病院の先生方、皆様が優しくお心にかけて下さり、教えてくださり、開業医向けの勉強会もたくさんありますので、楽しく、わくわく、充実した24年間でした。女医の先生方の勉強、情報交換の会「ヴィオラの会」に声を懸けてくださり、ここでの先輩の先生方からの情報、アドバイスにはとても勇気付けられました。地元なので、親のような地域の人達、同級、同窓生など多数に囲まれて仕事が出来ることはとても嬉しく、やり甲斐もありました。

そして「タイトル」のように、福浜中学校の偉大な図工の恩師故佐々木英一郎先生(絵を指導しながら中学生に人の生きる道-決してあきらめない-を教えて下さった)。の教え子たちが集まって絵を描いたり、陶芸をしたり、平福に昔からあった獅子舞の復活に参加したり、日曜日には岡山県全域の低い山々(運動不足で膝関節が問題なので)、村々、町々、港、川、水門、美術館、博物館などへ連れ出してくれる友がいて、道中、社会地理、歴史、産業、理科などの勉強しながら、わいわいがやがや大変愉快な時間を過ごしています。県北には特に廃村・廃屋・休耕地・閉鎖されたイベント施設などが多く、活気ある所は「ひるぜんやきそば、ホルモンうどん」ぐらいで、美しい山河、肥沃な土地をこのままに多くの人が住んで生きていかれる地域造りをと願います。

このような時が来るからと最初から分かっていれば前半生はもっと気楽だったかもと思いますが、先が読めないのが人生でしょうか。思い返せば本当に多くのすばらしい人々にめぐり逢い、支えられて来たなあと改めて感謝に堪えません。

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