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コラムNo.21

子連れ母ちゃん医師・奮闘記

倉敷第一病院
  秋 山 陽 子

昨年春、卒業以来疎遠になっていた岡山の地に、縁あって戻ってきました。

4歳の娘との2人暮らしで、親戚もいざという時に頼れる友人も近くにいない状態での新生活で、不安要素は限りなくたくさんありましたが、"女性復職支援"というありがたいシステムのサポートによる勤務をさせていただいております。

勤務は平日のみ16時までで、土日祭日および夜間の勤務は免除していただいたうえで、一般外来や入院患者の担当、さらには当院が県下で数少ない漢方研修施設であることより、漢方研修に励んでおります。とはいえ、これはあくまでも前提条件。入院患者や外来の状態によっては勤務終了時間が遅くなることもありますが、このような時は途中で保育園に子供を迎えに行き、医局を第二の保育園として過ごしております。

"ごっこ遊び"が楽しい年頃の娘が、リアル聴診器を使いこなし、さらに電子カルテの真似をして私のパソコンをつつく姿に、微妙なものを感じてはおりますが…

さて、子供が小さいとどうしても避けられない問題が子供の病気の事。ありがたいことに非常に健康な娘でして、風邪をひいて体調不良ということはほとんどないのですが、強力な感染症にはやはり勝てず、2度ほど高熱が持続したことがあります(マイコプラズマ感染と流行性耳下腺炎)。少々の熱であればこっそりと解熱剤を飲ませて保育園に…という誘惑に駆られましたが、明らかに尋常ではない熱とぐったりした様子をみると、さすがに保育園は断念。さりとて外来日に急に休むわけにはいかず、結局子連れで出勤をして、医局のソファに寝かせて勤務をしました。子供にとってこれがベストであるとは思いませんが、やるべき仕事をこなしたうえで空いた時間はずっと子供のそばで看病が出来る。これだけでもありがたいことだと思っております。

このように仕事に子育てにと時間に追われる毎日ですが、これだけに終始するのではなく、職場の女性職員と週一回"女子会ランチ"を楽しんだり、職場の有志で管楽器バンドを結成して忘年会や院内クリスマスコンサートで演奏したりと、業務外の時間も満喫しております。

昔に比べると、地域による子育てサポートが充実しているという声もありますが、やはり見知らぬ地で"頼りになる近所のおばちゃん"を見つけるのは至難の業です。そして、子供にとって"母親は私"という事実も不変のものです。

現場の激務をこなす先生方からはお叱りの言葉をいただくかもしれませんが、子供を育てる一人の母として、人生の中でたった何年間だけは、子供のことを一番に考えながら勤務できる環境を与えていただける職場がもっと増えれば、そう切に願い、ペンを置きたいと思います。

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