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コラムNo.38

お弁当の日がやってきた。

パナソニック(株) AIS社岡山工場産業医
  田 中 久 子

このコーナーに寄稿される先生方のすばらしさに圧倒され、引き受けたものは仕方がない、と開き直って「肩の力がぬけるかあさん嘱託産業医」の日常をお届けいたします。

夫は工学系の教員という異業種夫婦で、10歳の男の子が1人おります。

現在、嘱託産業医と健診センター勤務をさせて頂きつつ、親業修行中です。

息子の通う小学校には、1学期に1日、お弁当を作っていく日があります。

「お弁当の日」という活動で、香川県の小学校で始まりました(お弁当の日、竹下和男先生、で検索してみて下さい)。

もともとは、5、6年生の家庭科でお弁当を作れる技術を教えて、各人献立を考え自分でお弁当を作り、持って来ます(親は決して手伝わないでください、とあります)。

昼食は縦割り班で、下級生は給食を食べながら羨望の眼差しで上級生のお弁当を見つめます。「○年後には、僕(私)も素敵なお弁当を作ってくるんだ」。

小学校時代から調理に親しんでおくことはとても良いことです。

普段職域の保健指導で、野菜を増やして健康づくりを薦めますが、「サラダ」「煮物」「おひたし」という野菜の姿が見えるメニューは兎に角、野菜が材料に混ぜられるメニュー(たとえば餃子)の説明はとても難しいのです。

さて息子の通う小学校は若干内容が変わり、全校生徒がお弁当を持って来ます。

「自分で詰める」「保護者と一緒に作る」「自分で全部作る」と3コースあります。低~中学年では、保護者の腕比べ&冷凍食品メーカー対抗戦、手抜きで豪華!コンテストです。

寝坊な息子はお弁当を作るために早起きできず、結局、完成品の弁当箱のご飯に、二人羽織状態で「ふりかけ」をかけさせ、「一緒に作った」事にして送り出す、という作戦で体裁を整え、私の朝の疲労度は倍増でした。

さて、お弁当の日前日の夕方、私が家に帰ると、息子は冷凍食品コーナーで買い込んで来たメニューの試食中。冷凍プチグラタン、冷凍コロッケ、鳥つくね団子をもくもく、「うん、うまい」と一言。

これに「田中家」謹製「ほうれん草のバター炒め」、「甘い卵焼き」、「たこさんウインナー」、「イチゴ1パック」を加えて完成です。

明日の朝炊く無洗米を計らせ、ほうれん草を茹でるのを手伝わせて「一緒に作るコース」の体裁を整え、お弁当の日にGoです。

翌日、やはり完成品に二人羽織ふりかけ、私は早朝から一日のエネルギーのかなりの部分を消費して、気合を入れ直しての出勤でした。

3学期の「お弁当の日」は火曜日でした。月曜日は荷物が多いためですが、準備が日曜日なら近所の子供と、「ああだこうだ」とメニューを計画、試作・試食会が出来たな、と思う田中(母子)です。

冷凍食品の残りはその日の夕方の息子のおやつに化け、高くついたお弁当の日でした。

これも食育のうちかしら??ビミョーな気分になった私です。

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