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コラムNo.63

仕事と人生

岡山大学病院 腎・免疫・内分泌代謝内科学
  勝 山 恵 理

新緑の眩しい季節となってまいりました。このたびEnjoi通信を仰せつかった、医師9年目になります勝山恵理と申します。

現在岡山大学病院でリウマチ膠原病科に所属し、大学院生として研究を続けております。それまでは広島、北九州でそれぞれ初期研修と専門修練医に従事し、臨床と、今思えば身軽であった独身生活を堪能していましたが、医師5年目で岡大に大学院生として戻ってきてからは結婚・第一子出産を経験し随分生活は変化しました。女性医師としての自分をあまり意識したことはありませんでしたが、やはり子育てとなると仕事は半減せざるをえず、多くの配慮をいただきながらの家庭と仕事の両立となっています。幸い当科を含めた岡大の腎・免疫・内分泌代謝内科学には家庭を持ちながらの女性医師が多く、まさに出産・子育てをしているママ友女医さんにも恵まれたため、大きなストレスなく来ることができたと思っています。しかしこの環境になるまでに開拓時の女性医師がどれほど苦労しただろうと思うと、今後出産育児を控える女性医師に私たちもよいアドバイス・よい環境づくりができるように努力しなければと思います。また子育てが大変なのは確かですが、フルで働く男性・女性医師もそれぞれの事情を抱えて休みなく仕事をしているはずであり、子育ての大義名分に甘えず、むしろ甘えたくない、あわよくば同じくらいの仕事ができれば、と心では思っています。

これまでのさまざまな土地での経験や人との出会い、臨床から研究への移行などすべてが貴重な経験であり、医師としての仕事の魅力はつきないと思っております。色々な学会に参加し、論文を読み、同僚や今まで出会った仕事仲間たちの近況を聞くにつけ、もっと勉強しなければと思う日々です。また、膠原病科を選んだ理由、専門医が少ないがゆえにとりあえずステロイド投与になりがちな事態を避けて、きちんと鑑別診断して治療したいという思いで選択しましたが、いつのまにか医師9年目にもなったため、さらに後輩へのフィードバックや岡大の膠原病診療の基盤をより強固にできるよう微力ながら貢献したいと思っています。

家に帰れば元気の余った、おしゃべり好きの息子の相手で時間はあっという間に過ぎますが、毎日遅くまで園に預けられても楽しそうに過ごす子供に元気づけられ日々を頑張ることができている気がします。たまに今日は行きたくないな…とつぶやいたり、久しぶりに家族がそろってゆっくり夕食をとれるとはしゃぎ過ぎて逆に怒られているわが子を見ると、ぐらりと母心が揺れることもありますが、子供と過ごせる時間を大切にしながら仕事も楽しんでいる母の姿を見せていけたらと思います。5月には二人目が生まれる予定で、ますますドタバタしそうですが、周囲への感謝を忘れないようにしつつ、家族と協力して人生の様々な時期をそれぞれ楽しめるよう心掛けていきたいと思っています。

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