レ−シックとは、角膜をエキシマレ−ザ−で削り、角膜のカ−ブを変えることによって屈折異常を矯正する手術方法の一つです。
エキシマレ−ザ−屈折矯正手術のガイドライン−日本眼科学会《抜粋》
1.術 者
日本眼科学会認定の眼科専門医であり、日本眼科学会の指定する屈折矯正手術講習会および製造業者が実施する設置時講習会の両者を受講した人
2.適 応
- 年齢
患者本人の十分な判断と同意を求める趣旨と、late onset myopia を考慮に入れ、18歳以上の方。なお、未成年者は親権者の同意が必要です。
- 対象
屈折値が安定しているすべての屈折異常(遠視、近視、乱視)とする。
- 屈折矯正量
近視レ−シックについては矯正量の限度を原則として6D、それを超える場合には十分なインフォ−ムドコンセントのもと10Dまでの範囲で実施する。
遠視レ−シックについては適正量の限度を6Dとして実施する。
3.実施が禁忌とされるもの
1)活動性の外眼部炎症
2)円錐角膜
3)白内障(核性近視)
4)ぶどう膜炎や強膜炎に伴う活動性の内眼部炎症
5)重症の糖尿病や重症のアトピー性疾患など、創傷治癒に影響を与える可能性の高い全身性あるいは免疫不全疾患
6)妊娠中または授乳中の女性
4.実施に慎重を要するもの
1)向精神薬(ブチロフェノン系向精神薬など)の服用者
2)緑内障
3)全身性の結合組織疾患
4)乾性角結膜炎
5)角膜ヘルペスの既往
6)屈折矯正手術の既往
5.インフォ−ムド・コンセントの必要性
施術者はエキシマレーザー屈折矯正手術(レーシック)に伴って発現する可能性のある合併症と問題点について十分に説明し同意を得ることが必要です。3D以内の近視については老視年齢に達したときにデメリットが生じる可能性があること、屈折矯正手術後に何らかの疾病で受診した場合、本手術の既往について担当医に報告すること、を十分に説明することが望まれます。
8.術後の経過観察について《抜粋》
翌日には必ず細隙灯顕微鏡による観察を行って異常をチェックする。その後も必要に応じて経過観察をする。原則として術後6ヶ月目までフォローアップするが、その後も一般検査の中で長期経過を見守ることが望ましい。
また、屈折矯正手術については、以下の術後合併症が知られており、これらについても適切に対処する必要がある。
- 疼痛
- 角膜感染症
- ハロ−・グレア−
- 不正乱視
- ステロイド緑内障
- 上皮下混濁
- フラップ異常
- ドライアイ
なお、低矯正に対して度を強める手術を施行する場合には、屈折状態が非進行性であること、術後に十分な角膜厚が残存することを確認する必要がある。
詳しい事は、日本眼科学会エキシマレーザー屈折矯正手術のガイドラインでご確認下さい。
また、社団法人 日本眼科医会は「レーシックを受けることをお考えの皆様へ」という文章の中で、次のように述べております。
「レーシックとその前後の診療は保険が利きません」
レーシックは保険外診療のため、レーシック前後に関わる検査・手技を含んだ全ての診療費は自費となります。術後検査を近所の眼科診療所で受ける場合にも、「自費診療」が原則となります。手術を行った同一医療機関で一貫して眼の状態を診てもらうことが基本です。
レーシックを受ける際には、手術費用の中に術後の検査や薬剤の費用が含まれているか、どのくらいの期間責任を持って診察してもらえるか、十分に確認することをお勧めします。レーシックによる感染予防、術前術後の定期検査などを徹底すると、手術費用は相応にかかるものと考えてください。目先の費用だけにとらわれず、自分の目は自分で守ると意識することが大切です。
※詳しい事は、日本眼科学会エキシマレーザー屈折矯正手術のガイドライン(PDF
: 205KB)でご確認下さい。