正常眼圧緑内障
緑内障は一般的に眼圧(眼球内の圧力)が上昇し視力や視野などに異常を生じる疾患です。しかし、眼圧が高くないのに(20mmHg以下)緑内障と同じ症状を呈する低眼圧緑内障ないしは正常眼圧緑内障という疾患が最近増加傾向にあり、注目されています。40歳以上の中高年齢者に多く見られ、全国的な調査では40歳以上の人の2.04%にこの疾患が発見されており、これは一般的な緑内障(原発開放隅角緑内障)の約3.5倍の多さです。

この疾患のメカニズムはまだ十分には解明されていませんが、視神経の支持組織である強膜節状板の組織が一般の人より弱かったり、末梢循環や自律神経の何らかの異常が関与しているといわれています。つまり、一般的には正常な眼圧でも、この疾患の人にとっては高すぎると考えられているのです。

この疾患は痛みもなく、視野の異常が早期に現れるものの中心部の視力は比較的最後まで保たれるので、眼の異常を感じて眼科を受診した時にはかなり末期に近いのが現状です。早期発見のためには、40歳を過ぎたら眼圧が正常だからとか視力が良いからと安心せず、年に一度、精密な眼底検査や視野検査を受けることが大切です。治療としては、慎重な経過観察と薬物や手術療法が行われます。

これからの高齢化社会を迎えるにあたり、いつまでもよく見える眼でありたいものです。