100年前からの警告−世界禁煙デーに寄せて−
・11年目の「世界禁煙デー」
世界保健機構(WHO)発足40周年を記念して決議された「世界禁煙デー」は、1989年(平成元年)からは毎年5月31日と定められました。以後、世界中で禁煙を中心にしたたばこ対策のための活動が行われています。
我が国のたばこ対策は、未成年者の喫煙防止の徹底、喫煙者に対する受動喫煙の影響を排除・減少させるための環境作りにおかれています。今年2月24日、厚生省はたばこの「有害性」と「依存症」に行政的に対応するために「21世紀のたばこ対策検討会」を発足させました。

・早いほど有害
たばこの有害性と依存症によって、がんや心臓病にかかりやすくなることは統計的に明らかにされています。
喫煙を始める年齢が早ければ早いほど危険性は増します。たとえば、肺がんにかかりやすくなる危険性は、20歳未満でたばこを吸い始めた人は、30歳以上で始めた人の4倍以上、たばこを吸わない人の6倍近くといわれています。

・Growing up without Tobacco
これは、今年の世界禁煙デーのスローガンです。「無煙世代をそだてよう!」と同じ考えは、1900年(明治33年)に制定され1947年(昭和22年)に最終改正された日本の法律「未成年者喫煙禁止法」でも、「満20年に至らざる者は煙草を喫することを得ず」とすでに明記され、いいかえると、約100年前から警告されているのです。
当時の医学知識でも判明していた喫煙の有害性は、今やニコチン、タール成分、そして一酸化炭素という「3悪」によることが究明され、その影響よりも明らかになってきました。

喫煙習慣は、もはや個人の自由意思による嗜好というよりも、ニコチンによる依存症というべきで、未成年のうちから喫煙習慣が身につかないよう注意することが大変重要です。

指導:東京慈恵会医科大学健康医学センター健康医学科
  池田 義雄 教授