高齢者と薬

4月からいよいよ介護保険がスタートしましたが、介護を受ける人や多くの高齢者の中には、複数の疾病をかかえているため、多種類の薬剤を使用する可能性があります。

この多剤併用は、副作用発現の原因となるおそれがあるとともに、飲み方などが煩雑になり、指示どおりに飲めない人が50%近くいます。また、うっかり飲み忘れるという人が70%という調査結果も出ています。これを防ぐために、1回分を1包化(ワンドーズパック)したり、1包ごとに朝・昼・夕などの印字をしたりしています。

高齢者は、多くの場合、慢性疾患で長期にわたり治療を継続しなければなりませんが、加齢により体に種々の変化が見られ、一般に吸収代謝や排せつが低下するので、薬剤の使用に注意を要したり、工夫が必要になったりします。たとだえば、唾液の分泌低下です。この場合、薬が食道で停滞し、食道粘膜に障害を起こすことがあるので、十分な水とともに服用しましょう。

また、薬を飲み下すことが困難な人には、錠剤を粉末化したり、『嚥下ゼリー』を利用したりする場合もあります。

胃酸の分泌減少は、酸性で溶けやすい薬が溶けにくくなり、薬の吸収が変化し、効果が弱まることもあります。肝臓や腎臓機能の低下により、薬の排せつが遅くなり、薬の副作用誘発の原因となることもありますので、日ごろから薬について、医師や薬剤師によく説明してもらいましょう。