ピロリ菌

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因については不明とされていましたが、1982年、「ヘリコバクター・ピロリ」という菌が、初めて胃の粘膜から取り出されたことにより、細菌による感染症も原因の一つであると認識されました。

それまで、胃の内部は強い酸性であるため、細菌が住み着ける環境ではないとされていたのですが、その厳しい状況になじみ、長いべん毛で、自由に泳ぎ回るピロリ菌が産生する酵素によって粘膜が傷つき、潰瘍の原因となっているのです。繰り返し潰瘍を起こす場合には、ピロリ菌の存在を確認した上で、除菌する治療が必要です。

しかし、ピロリ菌を確実に取り除く方法については、長い試行錯誤がありました。つまり、抗生物質の投与を行うに当たって、通常の量より多くを通常の期間より長く投与しなければならないため、まれにその抗生物質に耐性を持った菌を作る危険性が生まれます。
また、その治療費用も高額になります。

これらの問題を踏まえ、昨年11月、治療のガイドラインと医療保険の適用が認められました。それは、胃酸の分泌を抑える薬と、2種類の抗生物質を投与するというもので、これによって再発率は低下しています。

日本人に多いといわれる潰瘍、その治療は大きく前進しようとしています。