生水にご用心
夏の行楽シーズンに向かってピクニックや山登りなど、郊外に出かける機会も多いと思います。岩間の清流や谷間の湧き水など飲みたくなることもあると思います。

カルキや塩素などで滅菌処理されていない生水は、種々の病原体が潜んでいる可能性があります。なかでも最近注目されているのは、エルシニア・シュードツベルクロージスという細菌です。この菌は第二次大戦直後に、日本全国で大流行した泉熱の原因とされています。

発病しやすい年齢は、1〜5歳までの子供で、中学生以後は少なくなります。潜伏期間は、この菌で汚染された生水を飲んで約1週間です。発熱と同時に下痢、嘔吐、腹痛などの消化器症状が始まり、多くの人に発疹が見られます。発熱は平均10日間と長く、肝障害や重症の腎不全も時に併発します。そのほか感冒症状、結膜炎、いちご舌、関節痛、結節性紅斑など、多彩な症状が出現します。

一般的に重症の病気ですが、後遺症はほとんどありません。よく似た病気に川崎病、溶連菌感染症、薬疹、膠原病、腸チフスなどがあります。細菌感染症ですが、抗生物質の効果は弱く、予防が一番です。