骨は骨格を形成し、運動の支持機構としての機能を有するとともに、頭がい骨などは重要臓器を保護する器として、またカルシウムの貯蔵庫や骨髄での造血機能を有しています。
骨質は、骨の外殻である皮質骨と、その内部で梁状の網目を形成する海綿骨よりなっています。骨質中に存在する細胞には、骨に加えられる力を感知し応答する役目を持つ骨細胞と、骨形成をつかさどる骨芽細胞、さらに骨吸収を担う破骨細胞があります。
病気による長期の臥床やギプス固定による不動が続くと骨芽細胞による骨形成の低下と破骨細胞による骨吸収のこう進を招き、その結果骨塩量と骨密度の減少をきたして骨皮質の幅が薄くなります。これを廃用性骨萎縮と言い、海綿骨成分率の高いかかとの骨や腰椎がなりやすいといわれています。
安静臥床による骨萎縮は、体重を支えている骨に発生しやすいことから、適度な運動は予防に最も重要です。高齢者においても、散歩や軽いスポーツが筋肉や関節の柔軟性を高めて転倒防止につながります。まひなどにより十分に動かない手足でも他動運動による筋肉の収縮で、骨の細かな血管の流れを改善させることができます。ひざの悪い人はつえや歩行器を使って安全な歩行に努めましょう。