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コラムNo.15

或る日 雑感

高梁医師会 池田医院
  池 田 元 子

3月11日。私は異常を感じて目を覚ましました。これは地震? すぐにテレビをつけたところ東日本大震災のニュースが流れました。程なく津波の襲来です。大勢の方が一瞬の間に亡くなられた光景は私の頭の中を真っ白にしました。

もしこれが岡山の地だったら、高梁の自分達の住んでいる町の出来事だったら、どうしていたでしょう。とにもかくにもどうする? 現地に出かけるには私は年を重ねすぎてかえって迷惑をかけるだけ。そうだ、義援金を送ろう。国際ソロプチミスト高梁の仲間に話しかけ200万円を、さらに医師会からは100万円を拠出して頂きました。これくらいの事をするのは当たり前? 高梁市からもいろいろの立場の人達がボランティアとして現地入りされています。それらの活動を新聞やテレビで見る度に、良き日本人ここにありと人々の頑張りに拍手を送りました。

あれから5ヶ月。現地の方々の苦労を忍びながら私は私なりに人に迷惑をかけないようにしようと頑張っている今日この頃です。

朝5時起床。庭の草抜き、樹木の剪定。落ち葉の掃除等々に1時間半汗を流す。これが私の朝の行事です。人は草抜きや掃除等、誰かに依頼すれば良いのにと、暗に「ケチ」という意味を含めて言います。でも私は好きなんです。庭いじりしていることがと答えています。本当なんです。平成4年、私と主人は新たに居室を作り、三方に庭を整えてからの行事です。これが私の健康法の1つだと自負しています。早朝の澄み切った空と、清々しい空気を吸うと心と、頭がすっきりします。

今日も頑張ろうと勇気が湧いてきます。朝の行事が済み9時出勤。午後は6時まで。診察室ではお喋りと笑いの渦が一杯です。でも重症の患者さんが来院されたときは心が痛みます。もっと早く診察に来られなかったのかと口惜しくなります。本人も家族も異常を感知しなかったのでしょうか。

思いは複雑です。

子供達は待合室で飛んだり跳ねたり大声出して遊んでいます。でも昔ほど気にならなくなっています。遊べるのは病気が重症ではないからだと放っておきます。しかし診察室内は危険な薬品、注射器、その他が沢山あります。従業員一同事故が起きないように柔らかく優しく注意します。でも親は知らん顔、何時ものパターンです。最近子供達が少なくなり、おじいちゃん、おばあちゃんで椅子は占領されています。少子化の波は田舎のこの町にも容赦なく忍び込んできています。その昔、大勢子供達がいて、泣いたり笑ったり叫んだりカケッコしたり独楽を廻したり、時には喧嘩もあり、母親が大声で子供達を叱っていました。このようなほほえましい光景を暖かく眺めておれる事の幸せを若い夫婦に知ってもらいたいと毎日愚痴っています。

18時。閉院の刻が訪れました。こうして私の平凡な1日は過ぎていきました。

全世界の子供達よ。幸せあれ!!

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