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コラムNo.37

仲間との時間

久米郡医師会
  関   真 理

朝夕の虫の音に秋の訪れを感じる季節となりましたが、諸先生方におかれましては、ますますご活躍のことと存じます。

この度、女性医師コーナーEnJoi通信の原稿依頼を頂き、実は驚きと戸惑いを隠せませんでした。

結婚も子育ても経験のない私が「女性医師について語る」など、大変恐縮であり、どうしたものかと…。散々悩みましたが、今年ついに小さな夢が叶いましたので、そのエピソードをご紹介させて頂きます。

大学を卒業とともに、私は外科医を目指しました。といいましても、ご存知のように外科は3Kとも言われ、若者離れが進んでおり、私の同期は大学病院でもたったの8名。それでも当時は、久々に外科研修医が多い年とも言われていました。なかでも、3名が女性外科医。ワンピースにハイヒール、白衣を翻して颯爽と歩く…というのは、もちろんテレビの中だけの話です。術着に帽子とマスクをかけて一日中過ごすため、髪の毛はぺちゃんこ、顔は脂でテカテカ、吹き出物だらけ。当直明けは、さらにムクミや目の下のクマでボロボロ…。女として、このままでいいのか?と疑問を抱きつつ、毎日を送っていました。それでも、腐っても外科志望医。虫垂炎の患者さんが来られれば、我先にと救急外来に駆けつけオペレーターを勝ち取ろうと、みんな必死でした。オペレーターになれなくても「それなら器械出しさせて!」と看護師さんの仕事まで取り上げ、とにかくオペ室に入って手術にかかわりたい!という生活を送っていたものです。

さて、この3名の女性外科医「いつか、3人で温泉に行きたいね」と、ささやかな夢を抱きつつ早10年が経過。これまで何度かチャンスはありましたが、重症患者さんの緊急入院や急変等で、涙を呑んで諦めてまいりました。それが今年の5月末、積年の思いを果たし1泊ですが湯郷温泉へ。「せめて有馬温泉がよかった…」など、贅沢は申しません。最悪呼び出されても帰られるように、もちろん岡山県内です。久しぶりに3人が集合し、近況報告や思い出話に花が咲き、充実したひと時となりました。研修医時代は、同じ目線で同じ経験をしてきた同期も、今ではそれぞれに違う道を選び、お互いに質問やアドバイスをする間柄になっています。消化器外科の道を選んだ彼女は、大学病院や日本外科学会で女性医師支援の活動を精力的に行い、呼吸器外科を選んだ彼女は、たくさんの論文を世に送り出しています。今回は、外科の女性医師について綴ってみましたが、私の周りには現役バリバリで活躍している女性医師がたくさんいます。彼女達から刺激を受けつつ、励まし合いつつ、これからも私の女医人生は続いていくことでしょう。

最後になりましたが、湯郷温泉での1コマを。

研修医時代に比べると、歳はとりましたが、少しは女子力upしていると信じたい外科3人娘の図です(笑)。

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