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コラムNo.41

子育てしながら、働く現状

岡山済生会総合病院産婦人科
  根 津 優 子

初めまして、根津と申します。現在、岡山済生会総合病院 産婦人科で勤務しています。

このたびは、このような貴重な原稿依頼をいただきましたので、仕事と子育てについて自由に書かせていただこうと思います。

卒後5年間山口県内で研修しており、卒後6年目出産後に夫の勤務している岡山市に転居しました。産後9カ月から岡山大学の女性医師支援枠を利用させていただき、託児所は夫の勤務先の済生会の託児所を利用しながら復帰しました。しかし託児所からの呼び出しへの対応が遅れることなどから自宅・勤務先・託児所は近い方がよいことを痛感し、昨年の秋に私も済生会病院へ異動させていただきました。

現在、夫婦ともに常勤勤務していますが、一番困ることはやはり子供の病気のときと仕事(とくに手術)が長引いたときです。私の実家は九州地方、夫の実家が鳥取県であり、双方の両親の援助が難しく、子供の急な発熱時は外来中でもどちらかが外来を中断する、あるいは代診していただいているのが現状です。翌日からの病児保育もなかなか確保できず苦労しています。自分の子供が風邪をひいているときは、他の子供さんも風邪をひいていることが多いので病児保育が満床で預けることができないこともあり、どうしても休めない勤務の日にはベビーシッターさんにお願いせざるを得ません。前日に突然「明日預けたいんですけど…」と頼んでますが先方の都合もあり、かなり苦労しています。幸い2歳すぎてからはだいぶ急な発熱が減り、シッターさんをお願いすることはなくなりました。

当院の託児所は20時まで延長保育で利用できますが、手術が20時を超えそうなときにはどちらかが手術からおりて迎えに行っています。まわりの先生のご理解あって何とか対応できている状態です。子育てしながら働くには、不測なときにも子供を預けられる体制が整ってることが大切だと思います。今後、子育てしながら勤務する女性のためにもぜひ医師用の託児所・病児保育を増やしていただきたいと思います。

現在、第2子妊娠しており、いつから復帰するか、どのような形で共働きをするか、日々悩んでいます。思い出すのは自分の分娩のときのこと。夜間でもいつでも駆けつけてくれるスタッフがいる医療がどんなにありがたかったか。元気に働ける状態になったら、私もすぐに来てくれる産婦人科の医師でありたいと思います。きっといつか、元気な赤ちゃんが生まれてこられるように頑張っている母の仕事を娘もわかってくれると信じています。

このような勤務体制は自分たちだけでは到底対応できず、職場の理解や周囲の支え、患者さんの理解、そして夫婦の支え合いがあってからこそ続けることができており、非常に感謝しています。朝夕のほんの短い時間の更衣室の中で、先輩の女医さんたちがかけてくれる優しい声かけも心の支えになってます。やりがいを感じる仕事ができる幸せと忙しさからのストレスと上手に付き合いながら、自分なりに頑張りたいと思います。

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