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コラムNo.46

高梁市成羽(なりわ)の地から。
二年目の春に思うこと

高梁市国民健康保険成羽病院附属吹屋診療所 内科
  松 田 祐 依

決して一人ではない。その思いに支えられて、成羽での生活も一年が経過しました。

私は自治医科大学を卒業し、岡山済生会病院で初期研修後、昨年成羽病院に赴任しました。満開の桜に迎えられての初めての成羽の地。一人の内科医としてしっかりやらねば、という焦りばかりが先を行き、できない自分に不甲斐ない思いは深まりました。一人で解決しなければと抱え込むこともありました。しかし、そんな私に周りの先生方、スタッフの方々はいつも助けの手を差し伸べてくださいました。あるときは責任をもって任せていただき、必要なときには周りの協力が得られる環境を与えていただきました。また、地域の方々が、新米医師の私をあたたかく迎えてくださる中で、医師として成長させていただいた一年でした。

成羽で迎える二年目の春。新緑薫る弥高山の自然のなかで、成羽病院スタッフ全体の研修会が先日行われました。様々な部署のスタッフが集まり、小グループに分かれてのディスカッションです。私たちのグループは"地域の方が来院しやすい病院にするために"というテーマで話し合いました。開始とともに活発な意見が飛び交い、ときには笑いも交えつつ、改善にむけて建設的な意見が組み立てられる中で、スタッフが自分の部署だけでなく、他部署はもちろん病院全体、さらには地域への影響について問題点をみつめている姿に刺激を受けました。病院スタッフの一員として、そして地域で生活する一人として、よりよい医療が提供できるように、という思いの強さはとても心地よいものに感じられました。

研修会に参加して、私も成羽病院を"この地域の大切な病院"と強く意識しました。地域をよりよくするために病院ができること、を常に考えるスタッフの姿勢に、この地で働くやりがいを改めて感じました。地域密着型病院の医療スタッフとしてともに歩むため、あらためてスタッフ一人ひとりとお話する時間をつくり、地域への思いや、働くなかで大切にしている思いを理解し、より安心して暮らせる地域へ、人の笑顔へとつなげていきたいと感じています。

この地に育ててもらっていることへの感謝を行動に移したい。新米医師の二年目はこんな風にスタートしています。(写真の前列左から3番目が筆者)

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