コラムNo.73

今年こそ　英会話!!

医療法人秋桜会　佐藤医院
　　岡　本　ふ　さ　子

岡山市の北の端（でも市役所と同じ北区）建部町で開業医をしております。もともとは小児科医として20年病院勤務をしておりましたが、父母の医院のスムーズな継承のため10年ほど前より地域医療に携わっております。

Enjoi通信の原稿依頼を受けたのはいいけれど、何を書こうかと今の今まで悩んでいます。中学生のころ夏休みの宿題で作文がありました。そうでなくても文章を書くのが苦手なので最後の最後まで作文を残し、ついに８月31日、切羽詰まった私は作文の題を「８月31日の出来事」とし、その日の気持ちや出来事を書いて提出しました。国語の先生からは「面白い作文を書いとったなあ」と皮肉を言われましたが、出してしまえばこちらのもの!! 今回も背水の陣で「今年の抱負」について書かせていただくことにしました。

「今年の抱負」というか「数年来の抱負」と言ったほうがいいかもしれません。その抱負とは「今年こそ海外旅行で困らない程度の英会話を習得する!!」ことです。諸先生方におかれましては、英会話は得意と言われる方も多いと思います。が、もともと私は英語が苦手でした。高校時代はテニスに明け暮れ、学校の宿題と翌日当たりそうな部分の単語を調べ、特に単語・熟語を覚えず、なんとなく必要最低限の点数を取って今に至っています。そんな英語嫌いのくせに、なぜ今さら英語の勉強をしたいか?! それは旅行のためです。両親が開業医だったため、幼い時から家族旅行なるものに行ったことがなく、さらにはひどい方向音痴のため知っている場所以外には怖くて行くことのできない私が旅行に目覚めたのは結婚してからでした。

主人が旅行好きで英会話を習っていたこともあり、海外旅行に出かけるとすべて主人に任せきり、海外では「無口」…。それはそれでも十分楽しめたのですが、次第に一人でエステに行ったり、買い物したり、オプショナルツアーに参加してほかの国の人と交われたらもっともっと楽しいだろうと思い始めました。「大阪のおばちゃんはどこに行っても大阪弁で押し通すんだから英語なんて必要ないはず」などと理由をつけて勉強しませんでしたが、一昨年家族でバリ島に行き、アメリカ人のご夫婦とともにサイクリングツアーに参加したときの出来事でそんな甘い気持ちが吹っ飛びました。主人はいつものようにお二人との会話を楽しみ、私と娘は無口…。主人の前では言いにくかったのでしょう、トイレ休憩のとき奥様のほうが娘に「Can you speak English?」と聞いてきたのです。私はすぐさま娘にかわって「a little」と答えたのですが、さらに「Don’t you learn English at school ?」とも…。「can you」か!! 馬鹿にされたようで生まれて初めて英語が話せないことが情けないと感じました。せめてこんな悔しい思いをしない程には話せるようになりたいと思いました。

帰国後、英会話を手軽に習得したい人が最初にやるもの、TVコマーシャルでもおなじみの「スピードラーニング」を申し込みました。通勤時間が長いので、車の中で聴けば時間が有効に使えると考えたのです。皆様ご存知と思いますが、最初に数倍速の英語のフレーズが流れ、その後に日本語訳が流れます。何回か聞いたのちに通常速度でフレーズが流れるというシステムで、数十分聞いただけで気分が悪くなり即座にやめました。その後は、コマーシャルなどに惑わされることなく、英語の勉強法から勉強しようと、本を数冊購入しました。そこで、これは!!と思うようなCDも買って通勤途中に聞いてみました。なるほど短いセンテンスや日常の会話が主で、速度もさほど早くないためひと月ほどは続きました。憶えたセンテンスを駆使して主人に話しかけてみましたが、３倍くらいの量で返され、さらに最後に質問までしてくる…。悔しくて次々と単元を進めていきました。ところが、憶えた先から忘れていくのです…。耳にタコができるくらいに繰り返し聞く根性があればよかったのですが、心が折れてしまいました。やはり定期的に生身の人間と会話しないと上達しないのだとわかりました。今は英会話教室に通うべく準備中です。

長い長い英会話習得への道のり…いつまで続くことやら。いや！今年こそ!!