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コラムNo.97

よこえ眼科 横江 志保

昭和58年、私がまだ大学生の時、父は58歳で他界しました。私はそろそろ、その年齢に近づいてきました。58歳が若いのかそうでもないのか。もちろん亡くなるには早い年齢です。今の私と言えば、老眼が進行し、本を読むのが億劫になってきました。その上覚えられない、すぐ忘れるという医者としては致命的(?)かもしれない状況に陥ってきています。また、しわ、しみ、たるみなど見た目に変化していることや、走れない、疲れるなど体力面での低下があり、挙げるときりがないほどの衰えがあります。50代半ばはそう若くないと実感しています。

平成12年に眼科を開業しました。かろうじて30代でしたが、まだまだ元気だったと思います。開業するのがよいのかどうか悩みましたが、歳をとっても働けるのは定年のない開業だろうと思い決心しました。開業した当初、母はまだしっかりしており、介護という問題に現実味はありませんでした。しかし確実にやってきました、介護。診療所の横に自宅があるので、常に近くで様子を見ることができます。この点に関しては本当に開業してよかったと思っています。親の介護をする年齢になったということが、年齢を重ねているということなのでしょう。

さて、若い頃は50代の先生方は大先輩で、お話しするのもはばかれるほどの存在でした。いざ自分がそうなってみると、私には全く自慢できることなどなく、むしろ最先端でバリバリ仕事をされている若い先生方とお話するのは高いハードルがあって、こちらが委縮してしまうのが現状です。社交的でない性格も災いしているものと思われます。

では若々しくいるためにはどうすればいいのでしょうか。周りの輝いている先生は色々なことに興味を持ち、行動に移しておられます。仕事はもちろんですが、趣味に関しても楽しんでおられるようです。私は時々観劇やコンサートに行ったりしますが、これが一番のストレス発散です。また、同期の先生に恵まれ、毎年行う同期会も刺激になり楽しみのひとつです。同期の女子会(おばさん会かしら?)はもちろん欠かせません。最近自分の時間が持てるようになったので、体を動かす事や、習い事を始めたいと思っています。できれば決まった時間に行くのではなく、自由な時間に行かせてくれる所があるといいなと勝手なことを考えています。私の都合に合わせてくれる習い事はありえないですけど。

医者になって、あっという間にこの歳になりました。この先はもっと早く感じられるのだと思います。決められた定年はないですが、知識がいつまでついていけるのか、大いに心配です。できる限り悪あがきをして、読んだもの、聞いたことを覚えておけるよう努力してもう少し眼科医を続けていきたいと思います。

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