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コラムNo.69

岡山での8年間

臓病センター榊原病院 循環器内科
  大 原 美 奈 子

みなさん初めまして。

私は香川大学出身で医師になって16年目になりますが、そのうち約半分を岡山(榊原病院)で過ごしています。香川大学医学部附属病院と関連病院で循環器内科医として研修を受けてから、榊原病院に赴任しました。赴任当初は救急車や重症患者さんの多さにびっくりし、広いICU、フットワークが軽いコメディカルの協力のおかげで迅速に緊急カテーテル検査や緊急手術ができ、通常であれば助からないであろう重症患者さんが歩いて退院していくことに感動したことを覚えています。その一員として働けることに誇りを感じています。

私は、循環器内科の内でも不整脈を専門として担当しています。不整脈の部門では人口の高齢化とともに心房細動が増加しており、心房細動に対する治療法がトピックスになっています。心房細動の根治をめざすカテーテルアブレーションは、デバイスの進歩により成功率が上がっており、冷凍アブレーションを行うクライオバルーンが保険償還されたことで、手技時間の短縮・成功率の向上が期待されています。また、心房細動症例に対する脳梗塞予防は長らくワルファリンの独壇場でしたが、2012年にダビガトランが使えるようになり、現在はダビガトラン、リバロキサバン、アピキサバン、エドキサバンの4種類の新規抗凝固薬が使えるようになっています。症例ごとの病状、生活習慣、アドヒアランスなどにより使い分けることが可能です。ダビガトラン300㎎はワーファリンと比べて有意に塞栓症が少なく、他はワーファリンと同等、出血イベントはワーファリンと同等か減らしたと報告されていますので、おおまかには若年で出血リスクの低い症例はダビガトラン 300㎎、腎機能低下例はリバロキサバン、アピキサバン、エドキサバンのいずれか、アドヒアランスの悪い症例はリバロキサバンかエドキサバンと使い分ければいいのではないかと思います。バイアスピリンは心房細動の塞栓症予防には無効とされています。また抗血小板薬、特に2剤併用の場合は出血リスクが高くなると報告されていますので、可能であれば抗血小板薬1剤に減量することが望ましいです。ヨーロッパ心臓病学会のガイドラインでは、心筋梗塞急性期やステント留置直後でない限りは、心房細動症例では抗凝固療法を優先することが推奨されています。

この原稿を書くにあたり、過去の記事を読ませていただきました。他の先生方は子育て、家事を行いながら医師としても活躍されており、独身の身としては本当に頭が下がる思いです。

趣味というほどのものはないのですが、旅行と宝塚歌劇団、劇団四季などのミュージカル観劇で息抜きをしています。初めてミュージカルを観たのはシカゴブロードウェイで、英語でしたので何を言っているか全くわからなかったのですが、華やかな舞台に圧倒されました。その後、劇団四季を観るようになり、最近は時間ができれば宝塚にも通っています。新幹線と電車で片道2時間以上かかりますが(笑)。

先日は夏休みをいただき、スペインに行ってきました。サグラダファミリアは荘厳で、ステンドグラスから差し込む光はこの世のものとは思えないくらいきれいで、また、アルハンブラ宮殿などのイスラム建築も本当にきれいでした。観光地はスリが多いということでしたが、お巡りさんが巡回していて危ない感じはありませんでした。食べ物は魚介類を使った料理が多く、日本人好みではないかと思います。果物も種類が多くてとてもおいしく、お酒は飲めないのですが、ワインも安くておいしそうでした。

国内旅行は熊野古道の那智勝浦に行きました。あいにく小雨が降って少し寒い天気でしたが、かえって神秘的な雰囲気で、那智大滝の水量も多くて迫力があり、よかったのではないかと思っています。

まだまだ国内、海外ともに行きたいところはたくさんあり、時間があれば旅行雑誌や本を読んだり、インターネットで検索したり、旅行に行った人のブログを見て次はここに行こうかな~と考えています。

つたない文章になってしまいましたが、最後にパワフルにがんばっておられる他の先生方に負けないように、今後も仕事、趣味ともに全力疾走でいきたいと思います。

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