岡山県医師会

WELCOME研修医の会

平成31年度 WELCOME研修医の会

日 時:
平成31年4月4日(木) 14:00~20:40
場 所:
岡山県医師会館 三木記念ホール、401会議室
参加者:
230名(研修医 169名、臨床研修指定病院院長他 27名、主催者・来賓 34名)

平成31年度WELCOME研修医の会を平成31年4月4日(木)14時より、医師としての基本である「医療倫理」にスポットライトを当て、社会保険医療担当者集団指導に続き岡山県医師会館で開催いたしました。169名の研修医と各臨床研修指定病院の指導医の先生方など合わせて230名の参加者がありました。

第1部は三木記念ホールで臨床研修に臨む心構えを医師会としてのオリエンテーションプログラムとして提供し、第2部のレセプションはNPO法人岡山医師研修支援機構と共に4階401会議室で開催しました。

岡山県医師会 松山正春会長の開会の挨拶の後、岡山県保健福祉部 中谷祐貴子部長、岡山大学病院 金澤右院長、川崎医科大学附属病院 園尾博司院長よりご挨拶がありました。まず、特別講演は京都府医師会理事であり、医療法人朋友会泌尿器科上田クリニックの理事長・院長である上田朋宏先生に「スキルアップ・レベルアップ・ネットワーク作りのため~研修医・若手指導医に対する京都府医師会10年の取り組み~」と題してお話しいただき、続いて岡山県医師会 清水信義副会長より「医師の職業倫理指針」(日本医師会編)に基づき医師としての責務についてのガイダンスが行われ、第1部を終了しました。

レセプションはNPO法人岡山医師研修支援機構 伊野英男事務局長による機構の紹介と景品が当たる大じゃんけん大会で幕を開けました。大じゃんけん大会はApple Watch(2個)が当たる対戦をNPO法人岡山医師研修支援機構 糸島達也理事長と、ネーム入り白衣(6着)が当たる対戦を男女に分かれ、岡山医師協同組合 内田耕三郎理事長と行いました。Apple Watchは倉敷中央病院の研修医2名、白衣は岡山済生会総合病院の研修医2名を含む6名が勝ち取りました。その後、特別講師の上田先生にいただいたお菓子を景品とした対戦も行われました。糸島理事長の乾杯の発声の後、研修病院の枠を超えた懇親を深めました。途中、研修病院ごと、研修医に挨拶をしてもらいました。

今年度も昨年同様大変盛り上がり、研修医同士及び指導医との繋がりが深まる会になったと思われます。今後、1人でも多くの研修医が岡山で医療人として根付いてくれることを願っております。

以下に、特別講演 上田朋宏先生の講演要旨を掲載します。

特別講演:
「スキルアップ・レベルアップ・ネットワーク作りのため
~研修医・若手指導医に対する京都府医師会10年の取り組み~」

京都府医師会 理事
医療法人朋友会泌尿器科上田クリニック
理事長・院長  上田 朋宏

はじめに

京都府医師会の理事になって10年、当時勤務医であった筆者は2010年2月3日、京都府医師会ホームページブログにおいて「勤務医の労働環境問題」に関して「5分でわかる勤務医問題」(http://www.kyoto.med.or.jp/info2/index.php?e=6)と題して提言した。京都府医師会ではこの内容に基づき、勤務医を取り巻く諸問題や京都府医師会の勤務医を対象とした活動について、京都府医師会勤務医部会、医師のワークライフバランス委員会(前勤務医部会女性医師ワーキンググループ)、情報・企画・広報委員会等の各セクションのほか、京都府地域医療支援センター(KMCC)運営委員会に参画し、行政とも検討・協議を続けてきた。この10年を振り返り、未来に向けて勤務医(研修医・若手指導医)に対する医師会の役割を考える。

調査結果から求められた医師会の役割の変革

京都府医師会勤務医部会では2009年12月に「勤務医・女性医師の労働環境等に関する緊急意識調査」の結果をまとめた。医師会として何をしなければならないのかが明らかになり、勤務医を支えるための仕組み作りを手探りで行ってきた経緯を紹介する。

医師のワークライフバランス委員会

勤務医の労働環境は過酷を極め、有給休暇も半数が利用できない状況である上に、手当についても半数がまともに受けられていない状況がうかがえた。「不安、不満、悩み」の訴えの中で多くを占めたのが、「医師の働き方改革」における「ワークシェアリング」「ワークシフティング」議論で渦中の存在となっている「文書作成の多さ」といった事務的な仕事であり、女性医師からは「勤務と家事との両立」が挙げられた。

さらに、「女性医師が仕事を続ける条件」に、「家族や上司の協力」が70%を占めるとともに、60%以上が「保育、託児所施設の不備」を訴えたことが挙げられ、休職・離職の原因は出産・育児であり、復職するには家族・病院の協力が不可欠であることが判明した。医師不足が叫ばれる中、女性医師が働きやすい環境を作ることが医療崩壊を防ぐ大きな手立てになることが明らかになった。

このことから、京都府医師会では勤務医部会に付随していた「女性医師ワーキンググループ」を発展的に解消し、常任委員会として「医師のワークライフバランス委員会」を設置、医師にとって働きやすい、子育てしやすい環境改善等の課題解決を図っている。

「臨床研修のあり方に関する検討委員会」と若手医師ワーキンググループ
  1. 京都府全体で次代の良医を育てる
  2. 「新研修医総合オリエンテーション」の企画・運営である。これは、医師、社会人となって初めて受ける研修であり、京都府医師会ならではのオリエンテーションプログラムを提供することで、研修医が身に付けなければならない最低限の知識の均一化を図るとともに、研修医同士の横の連携を深めることを目的として開催している。
  3. 「臨床研修屋根瓦塾KYOTO」 若手の先輩医師が作成した症例シナリオに、他の施設の臨床研修医がチームを組んで挑む取り組みである。医学的知識もさることながら、隣の病院の臨床研修医がどのような研修を行い、どのような実力を持っているのか感じ合える企画であり、「屋根瓦塾」の名の通り、“教わった者”が次は“教える側”に立つことが特徴的である。
  4. 救急外来実技、災害医療シミュレーションに特化した「研修医ワークショップ in Kyoto」や研修医・若手勤務医向けの情報誌「ARZT」の発刊による啓発活動を行っている。
これからの「医師会」の役割と方向性

調査の結果、「医師会」は「開業医のための営利団体で、勤務医のための組織であるとは思えない」との意見が散見されたこと、勤務医部会が医師会に存在することを認知されていなかったことが浮き彫りとなった。これは、現在でも医師会が抱える大きな問題である。

勤務医が感じた問題を直属の上司である院長や自治体の首長が共有し、政府や地域行政に働きかけるぐらいのエネルギーが無い限り労働環境は変わらない。病院内外の地域医療体制の改善策を勤務医のアイデアを基に具体化する取り組みが求められており、俯瞰してそれをコーディネートできるのは医師会のみである。

そもそも「医師会」は、地域・国の医療を将来に向けて安心できる体制を維持できるように専門家としての立場で意見していく集団であるべきであり、開業医だけの利益集団と思われることに恥じるべきである。一方、勤務医も受動的なサイレントマジョリティのままで現在の医療崩壊を嘆くだけでなく、地域の未来にまで視野を広げ診療活動に勤しんでいただきたい。

おわりに

勤務医の問題の根幹は変わっていないが、患者のために身を粉にして働く勤務医に対しての労働対価は常に考え、さらに医療提供体制を維持するためにも行政、医師会、医育機関、病院勤務医が連携、協働するための具体的な環境整備が医師会の新たな責務といえる。

研修医の皆さんは、これから本当にしけの大海原に航海に出るわけだが、常にオスラーのいう平静の心で立ち向かってほしい。加えてオスラーの言葉を借りれば、皆さんは今まで医学教育を学んできたわけだが、これからの教科書はベッドサイドの患者さんとなる。そして40歳までは研究し、60歳までに全うするキャリアプランを作る必要がある。その環境が脅かされる時医師会は君たちを守ってくれるはずである。

最後にヒポクラテスの言葉をみなさんに送る。

医師は知の伝道者であり上級医師から教えてもらったことは「無償」で弟子に教える義務がある。

(なおこの講演抄録は日医ニュース5月20日号に投稿したものを一部改変した。)

平成30年度 WELCOME研修医の会

日 時:
平成30年4月5日(木) 14:00~20:30
場 所:
岡山県医師会館 三木記念ホール、401会議室
参加者:
228名(研修医 170名、臨床研修指定病院院長他 23名、主催者・来賓 35名)

平成30年度WELCOME研修医の会を平成30年4月5日(木)14時より、医師としての基本である「医療倫理」にスポットライトを当て、社会保険医療担当者集団指導に続き岡山県医師会館で開催いたしました。170名の研修医と各臨床研修指定病院の指導医の先生方など合わせて228名の参加者がありました。

第1部は三木記念ホールで臨床研修に臨む心構えを医師会としてのオリエンテーションプログラムとして提供し、第2部のレセプションはNPO法人岡山医師研修支援機構と共に4階401会議室で開催しました。

岡山県医師会 石川紘会長の開会の挨拶の後、岡山県保健福祉部 荒木裕人部長、岡山大学病院 金澤右院長、川崎医科大学附属病院 長谷川徹副院長よりご挨拶がありました。まず、岡山県医師会 清水信義副会長より「医師の職業倫理指針」(日本医師会編)に基づき医師としての責務についてのガイダンスが行われ、特別講演は社会医療法人清風会岡山家庭医療センター、奈義・津山・湯郷ファミリークリニック 松下明所長に「岡山県での家庭医療の実践と総合診療専門医育成の現状・将来像」と題してお話しいただき、第1部を終了しました。

レセプションはNPO法人岡山医師研修支援機構 伊野英男事務局長による機構の紹介と景品が当たる大じゃんけん大会で幕を開けました。大じゃんけん大会はApple Watch(2個)が当たる対戦をNPO法人岡山医師研修支援機構 糸島達也理事長と、iPad mini(1個)が当たる対戦を岡山医師協同組合 内田耕三郎理事長との2回が行われました。岡山赤十字病院の研修医計3名が勝ち取りました。糸島達也理事長の乾杯の発声の後、研修病院の枠を超えた懇親を深めました。途中、研修病院ごと、研修医に挨拶をしてもらいました。

今年度は研修医の数が昨年度より20名程減りましたが、大変盛り上がり、研修医同士及び指導医との繋がりが深まる会になったと思われます。今後、1人でも多くの研修医が岡山で医療人として根付いてくれることを願っております。

以下に、特別講演 松下明先生の講演要旨を掲載します。

特別講演:「岡山県での家庭医療の実践と総合診療専門医育成の現状・将来像」

社会医療法人清風会 岡山家庭医療センター
奈義・津山・湯郷ファミリークリニック 所長 松下 明

米国ミシガン州での家庭医療専門医取得後に平成13年から岡山県北、奈義町での診療を開始し、地域での家庭医療の実践と家庭医療後期研修医育成に取り組んできた。現在は岡山大学との連携のもと、岡山県全域の家庭医療後期研修プログラムや岡山総合診療専門医コースを立ち上げ、岡山県の地域枠医学生や自治医大卒業生が義務年限を過ごす僻地の医療機関でも、専門研修を提供できる体制作りを行うことができた。

奈義町は岡山県北東部に位置し、鳥取県との県境にある中山間地域で、人口5,906人、高齢化率33.2%の小さな町である。この町で取り組んできた家庭医療の実践と総合診療専門医育成の現状、そして将来像についてお話しできればと思っている。

私が米国で3年間家庭医療レジデンシー教育を受けた際に印象に残っているのは以下の3点である。

  1. 0歳から100歳までの地域での健康問題の90%にきちんと向き合い、10%の紹介を適切に行う
  2. 多くの科をローテーション研修する中で急性期・慢性期のケアや緩和ケアを学ぶと同時に、診療所の継続外来を指導医のもとで行うことで家族単位でのかかりつけ医としての継続性を実感する
  3. 行動科学を軸に対個人、対家族、対地域多職種に対する適切なコミュニケーションを行う技術を学び、ビデオレビューやロールプレイを通して実践できるレベルまで向上し、家族の木(図)をイメージした診療を行う

平成13年から平成17年までは2年間の診療所研修のみを受け入れてきたが、平成18年から学会レベルでの後期研修システムが整備され、津山中央病院、日本原病院と連携した3年間のコースを確立した。その際には米国での研修経験を生かした上記3点を強調したプログラムを作り、日本プライマリ・ケア連合学会の300ある後期研修プログラムをリードする役割を自負して頑張ってきた。

当プログラムやそれ以前のプログラムを含めて家庭医療専門医を取得した医師は18名にのぼり、今年は5名の医師が研修を終了して家庭医療専門医試験を受験する予定である。

平成26年から開始している岡山県全域家庭医療後期研修プログラムは岡山大学GIMセンターとの連携のもと、文部科学省の予算を活用したもので1期生2名(うち1名は今年3月修了)、2期生2名、3期生1名が現在研修に取り組んでいる。

平成30年からは日本専門医機構の総合診療専門医制度が開始され、岡山県では4名が登録している。岡山総合診療専門医コースは旧来の奈義・津山・美作エリアで完結するAコース4名、岡山県全域をカバーするBコース6名と毎年10名を受け入れられる日本でも有数の大きなプログラムとしてスタートを切ることができた。

0歳から100歳までの幅広い年齢層の内科・小児科にとどまらない、整形外科・皮膚科・精神科・眼科・耳鼻科・泌尿器科も含めた地域の健康問題の9割をカバーする包括的な外来診療能力、訪問診療・臨時往診を24時間体制でグループで行うことで身につける訪問診療能力、地域の病院の退院困難事例を扱う病棟能力、一次・二次救急をカバーできる救急能力、更に地域の健康問題に関わる地域包括ケアの能力を身につけた、家庭医療・総合診療専門医の育成が可能となってきている。

日本の少子高齢化社会を見据え、プライマリ・ケアや在宅医療の重要性は増すばかりなので多くの医師にこの領域を一つの専門性として目指してほしい状況である。

研修医イマイチ先生の成長日誌  行動科学で学ぶメディカルインタビュー 医学書院HPより

平成29年度 WELCOME研修医の会

日 時:
平成29年4月6日(木) 14:00~20:30
場 所:
岡山県医師会館 三木記念ホール、401会議室
参加者:
257名(研修医 190名、臨床研修指定病院院長他 25名、主催者・来賓 42名)

平成29年度 WELCOME研修医の会を平成29年4月6日 14時より岡山県医師会館で「地域に若い医師を根付かせる」をコンセプトに社会保険医療担当者集団指導に続き開催いたしました。190名の研修医と各臨床研修指定病院の指導医の先生方など合わせ257名の参加者がありました。

第1部は三木記念ホールで臨床研修に臨む心構えを医師会としてのオリエンテーションプログラムとして提供し、第2部のレセプションはNPO法人岡山医師研修支援機構と共に4階401会議室で開催しました。

岡山県医師会 石川 紘会長の開会の挨拶の後、岡山県保健福祉部医療推進課 則安俊昭課長、岡山大学病院 金澤右院長、川崎医科大学附属病院 園尾博司院長よりご挨拶がありました。特別講演は岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 救急医学 中尾篤典教授に「救急医学へのいざない」と題してお話しいただきました。最後に清水信義副会長より「医師の職業倫理指針」(日本医師会編)に基づき医師としての責務についてガイダンスが行われ、第1部を終了しました。

レセプションは、NPO法人岡山医師研修支援機構 伊野英男事務局長による機構の紹介と、iPad miniが当たる大じゃんけん大会で幕を開けました。iPad miniが当たる大じゃんけん大会は、NPO法人岡山医師研修支援機構 糸島達也理事長との対戦と、岡山医師協同組合 内田耕三郎理事長との対戦の2回行われました。倉敷中央病院、岡山労災病院、川崎医科大学総合医療センターの研修医、計3名が勝ち取りました。糸島達也理事長の乾杯の発声の後、研修病院の枠を超えた懇親を深めました。途中、研修病院ごと、研修医に挨拶をしてもらいました。

年を追うごとに研修医の数が増えており、岡山県で研修することのすばらしさが広く知られてきたのだと喜んでいます。今後、1人でも多くの研修医が岡山で医療人として根付いてくれることを願っております。

以下に、特別講演 中尾篤典先生の講演要旨を掲載します。

特別講演:「救急医学へのいざない」

岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科
救急医学 教授 中尾 篤典

研修医のみなさん、ようこそ岡山県での研修を選んでくださいました。目の前で苦しむ患者さんを救う救急医療は医学の原点、今日はその救急医療の現場で実践すべき様々な技術、診断に至る考え方を実際の私の経験からお話しいたします。救急外来にやってくる様々な背景をもつ患者さんを診る技術は、その医療圏全体を包括的に診ることにつながってきます。救急医は今後、医療連携を意識した臓器横断的な医療を行うことが求められ、最も地域医療にとって重要な位置をしめるようになります。医師は常に勉強し、Academic Emergency Physicianを目指さなければなりませんが、一方で、医師は患者さんの御家族様への接し方も含め、常識ある社会人でなければいけません。これからの数年間は、先生たちの医師としてのキャリアにとって非常に大切な期間です。どうか健康に気を付けて有意義な研修生活をおくってください。

平成28年度 WELCOME研修医の会

日 時:
平成28年4月7日(木) 17:00~20:30
場 所:
ホテルグランヴィア岡山 4F
参加者:
242名(研修医 183名、臨床研修指定病院院長他 28名、主催者・来賓 31名)

平成28年度 WELCOME研修医の会を平成28年4月7日17時よりホテルグランヴィア岡山で「地域に若い医師を根付かせる」をコンセプトに社会保険医療担当者集団指導に続き開催いたしました。 第1部は臨床研修に臨む心構えを医師会としてのオリエンテーションプログラムとして提供し、第2部のレセプションはNPO法人岡山医師研修支援機構と共に開催しました。

岡山県医師会石川紘会長の開会の挨拶の後、岡山県保健福祉部荒木裕人部長、岡山大学病院藤原俊義副院長、川崎医科大学附属病院園尾博司院長よりご挨拶がありました。特別講演は国立成育医療研究センター研究所 政策科学研究部 森 臨太郎部長に「持続可能な社会と医療」と題してお話しいただきました。最後に清水信義副会長より「医師の職業倫理指針」(日本医師会編)に基づき医師としての責務についてガイダンスが行われ第1部を終了しました。

レセプションはNPO法人岡山医師研修支援機構伊野英男事務局長による機構の紹介とiPad miniが当たる大じゃんけん大会で幕を開けました。iPad miniが当たる大じゃんけん大会はNPO法人岡山医師研修支援機構糸島達也理事長との対戦と今年度新しく協賛してくださった岡山医師協同組合内田耕三郎理事長との対戦と2回行われました。iPad miniは岡山市立市民病院、倉敷中央病院、岡山医療センター、岡山赤十字病院の研修医計4名が勝ち取りました。糸島達也副会長の乾杯の発声の後、研修病院の枠を超えた懇親を深めました。途中、研修病院ごと、研修医に挨拶をしてもらいました。

年々研修医の数が増えており、岡山県で研修することのすばらしさが広く知られてします。きたのだと喜んでいます。今後、1人でも 以下に特別講演の森臨太郎先生よりの多くの研修医達が岡山で医療人として根付抄録を掲載します。 いてくれることを願い、来年度も開催いたします。

以下に特別講演の森 臨太郎先生よりの抄録を掲載します。

(文責 神﨑理事)

特別講演「持続可能な社会と医療」

国立成育医療研究センター 政策科学研究部長 森 臨太郎

 今日、グローバル化と社会的価値観の変化という大きな変化が生じている。この変化に応じた「持続可能な医療を創る」にはどうしたらよいか?これを日本の医療の国際的な位置づけ(医療財政、医療供給体制、医療の質と安全、 医療における意思決定)を踏まえたうえで、方向性を検討したい。 グローバル化には患者や医療従事者(ヒト)、医薬品や医療機器の市場(モノ)だけではなく、医療に係る情報の地球レベルにおける標準化が大きい。一定の検証により有効性や安全性が証明された診療行為を優先的に推し進めていく「根拠に基づく医療」が世界で浸透するに従い、証明された診療方針は瞬く間に拡散し世界が標準化されていく。 社会的価値観の変化は、死亡率や身体的な健康ではなく、社会の成熟に伴い、社会全体での包括的な意味での幸福感や、さまざまな身体や精神の状況を持つ人々が集う社会としての共生の在り方に移行しつつあることを示している。 日本の医療は一般的に質が高いと言われている。ただし、これらの質と安全は、制度としての取り組みにより担保されているのではなく、現在の医療従事者の献身や努力により成り立っている場合が多い。このため、過重労働や、責任を取らない体制になると、こういった質や安全が破綻する可能性が高く、このため、共通番号や根拠に基づく医療の思想が浸透し、系統的に医療や政策の標準の策定と疾病登録等による評価を発展させる必要がある。そのためにも、科学的根拠の現場の適用には応用力が必要とされるため人材育成が必須である。こういった科学的根拠は、情報という媒介を介して、急速にグローバル化しており、単に、医療の標準化に沿うだけではなく、医療の標準を設定する側としての貢献が必要であり、コクラン共同計画というような、最新の科学的根拠に基づいた信頼できる医療情報をグローバルレベルで示し、患者・医療消費者と医療従事者側との共有の中からの意思決定に貢献するというような動きは、特に重要である。 「科学的根拠に基づく医療」では、有効性の証明などのために、その診療の最終目標の設定が重要な前提条件となり、その最終目標の設定も成熟した「社会的価値観」に移っていく(べき)と考えられる。そうなると、今後こういった「暖かい成熟した社会的価値観の実現をめざした競争」が生まれることになる。こういった新しい価値観に基づく社会で、医療はどのように変わるべきなのか、コクラン共同計画による、科学的根拠に基づく医療の現状や、そのグローバリゼーションと、医療現場における影響についても考える必要がある。

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